建設の世界は独特で、建造物の完成までに、たくさんの会社と人が関わります。
発注者、設計会社、ゼネコン、専門業者、下請け業者などがそれぞれ役割を果たし、協力して完成させるのです。
しかしながら、このプロセスには力関係が絡むこともあります。
発注者が元請け(設計会社&ゼネコン)に発注し、元請けは専門業者に発注し、専門業者が下請け業者に発注する形です。
過去には、この関係から下流へ行くほど無理な要求が発生し、無理な短工期や低予算での工事が行われることもあったと聞きます。
しかし、現在はそうしたやり方では工事が成り立たなくなっています。
なぜなら、材料の高騰と建設人材、作業時間の不足が大きな課題となっているからです。
2024年問題のコラムでも触れたように、現在は豊富な人材や材料、時間が得られる時代ではありません。
従って、上からの一方的な圧力は業者が離れる結果となりかねません。
公共工事の入札不調もこの状況を反映しており、仕事があれば誰でも飛びつく時代ではないという現実を示しています。
先日も政府審議会から最低賃金を時給1000円以上とする発表がありました。
今後、人件費はますます高騰します。
今後は上流へ行けば行くほど、適正な価格、適正な工期をしっかり検討し、発注者、元請け、専門業者、下請け業者はみな対等な立場で協力し、建設プロジェクトを完成させるための方法を共に考える必要があります。
お互いの利益を尊重し、長期的なパートナーシップを築くことが今後は重要になっていくと思います。
これからの建設業は協力と信頼のもとに、より良い建造物を実現することが求められてい