
建設業とひと口に言っても、業務内容や働き方、キャリア形成は実にさまざま。このインタビュー連載では、建設業で自分らしく働く方々にお話を伺っていく。
★PROFILE 70代・男性。 46年間にわたり、全国の発電所におけるタービン発電機の定期検査対応、検査業務指導、品質保証(QA)・管理(QC)に従事。 現在は、大手スーパーゼネコンの発電所関連工事事務所にて、QA専任者として活躍中。現職は9年目。 |
●現在の業務について教えてください。
2016年4月から、発電所関連工事事務所において、QA専任者として従事しています。具体的には、現場安全パトロールやヒューマンエラー(HE)防止活動のほか、月1回の定期教育における講師や新規入場者へのQA教育講師も務めています。
現場での作業状況を報告する合同MOや、合同QA連絡会への出席といった電力品質保証部対応も業務のひとつです。また、過去事例の掲示物作成も手掛けており、幅広い業務を任せていただいています。
●お仕事の魅力や難しさについて教えてください。
2011年3月11日に起きた東日本大震災後における災害復旧工事に携わり、トラブルや災害の撲滅対応を行うことに、貢献度の高さを感じています。
パトロールでの指摘改善や見直しが生かされ、再発防止対策として反映されます。足場組立作業時には、必ず安全帯の着用・先掛けを行い、足場パイプなどの手渡し作業時の声掛けが徹底されています。
難しさに関しては、月1回の教育資料作成には苦慮しました。教育終了後、所長から「良かった」と評価された際には、とても嬉しく思いました。
●今後の目標について、教えてください。
パトロールや教育の積み重ねで、ヒューマンエラー減少の継続と災害防止、労災撲滅に向けて、QA専任者としてまだまだ頑張ります。協力会社、派遣社員の方々など、皆から慕われる専任者でありたいです。
●最後に、建設業の魅力は何だと思いますか?
人手不足や長時間労働など、さまざまな課題が指摘されていますが、社会貢献度の高い業界だと思います。最近ではAIの進歩が著しいですが、建設業では、人の手によって受け継がれていく技術が必要です。
特に、発電所関連の工事では、独特なルールや手続きが存在します。人の手があってこその仕事だと、日々感じています。