コラム

2022.11.21

長時間労働を考える

建設業界では長い間、長時間労働が当たり前という時代が続いてきました。一昔前なら月の残業が100時間を超えるという人も結構多かったと聞きます。

しかし、最近は建設業界でも長時間労働が及ぼす健康への影響や仕事のパフォーマンスの低下などを考慮し、以前に比べれば長時間労働は減少傾向になりつつあります。

では改めて長時間労働が及ぼす影響とはどんなものなのでしょうか?

今回はそんなことをちょっと深掘りしてみます。

長時間労働が及ぼす影響をまとめると主に以下の3つが挙げられます。

1、健康への影響

2、家庭環境への影響

3、採用への影響

では、それぞれについて少し詳しく解説します。

1、健康への影響

労働時間が長くなることで最も顕著に影響が出るのが、健康への影響です。残業をすることによって自分の時間が奪われ、食事・睡眠・余暇などに費やす時間が減少してしまいます。また、残業時間によって自分の時間が変動するため、日々の生活リズムはバラバラになってしまいます。そうなると心身共に休まる時間が少なくなり、精神的に追い込まれたり、疲れが取れず、仕事中に集中力が低下するなど悪影響が出始めます。最終的には病気の誘発や事故の誘発、精神的に追い込まれ自殺するケースもあります。2015年に行った電通の過労死事件などは記憶に新しいところだと思います。

2、家庭環境への影響

長時間労働で家に帰れず、家庭での時間を過ごす時間が少なくなるため、家族と疎遠になったり、疲れから家族へあたってしまったりというような家庭崩壊へとつながケースあります。休みの日も日頃の疲れが抜けず、家族と行動できなかったり、そもそも休日出勤で休みが無いなどの場合は、さらに深刻な影響を及ぼします。仕事のための仕事という考え方が従来の考え方としてありましたが、ワークライフバランスを考え、生きることと仕事を両面からバランスよく考える必要があります。

3、採用への影響

長時間労働が一般化している職場は最近では倦厭される傾向にあります。これは建設業界に新規参入する若者が減少している原因の一つでもあります。長時間労働を減らし、ワークライフバランスをしっかりと考えた職場環境を作らないと建設業界はますます人材不足に陥りかねません。

以上のように、長時間労働は以前は長時間働くことを美徳とする文化がありましたが、健康への影響や家庭環境への影響、また採用への影響など、建設業界全体として考えなければならない問題となっています。労働時間の管理を徹底し、労働時間を減少させるために、作業効率を上げるための新しい技術の開発や制度の導入、また無茶な納期の設定の解消など、長時間労働を解消するための取り組みが必要となっています。

皆さんも自分の労働時間などを今一度見直し、効率化できる部分はないか?何か別のものに置き換わるものはないか?採用の検討をすべきか?など今一度見直ししてみてはいかがでしょうか?

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