コラム

2023.01.10

SDGsな仕事

ある時、有名なIT系企業でお勤めの技術者の方とお食事をする機会がありました。

その方は50代前半で、現在はマネージャー職として活躍されている方です。

「あの会社でマネージャー職なんてすごいですね」って話しをしてたら、相手は首を振り深刻な顔になりました。

「いやいや私なんか会社から放り出されたら、もう雇ってくれるとこないからしがみつくしかないんですよ」って言うのです。

「またまたご謙遜を…」

と言うと

「実はもう若手技術者が言ってる内容の3割も理解できないんです…」

実は最先端のお仕事をされているミドル層の方はこの問題に直面する人が案外多いものです。

仕事はなんでもそうですが、その仕事をものにするにはある程度の時間と労力がかかります。

ですが、最近のビジネスの移り変わりは非常に早く、やっと仕事を覚えた頃にはもう古いものになっているなんてことは普通に起こり

得るものです。

前回のコラムでも書きましたが、AIや技術革新により、仕事そのものがなくなるなんてことも珍しくなくなりました。

国もリカレント教育の充実などでそれをカバーしようと躍起ですが、できたらお世話になりたくないものです。

そんな中、日進月歩の新しい技術や新しいビジネスではなく、従来よりずっと続いてきているビジネスに注目が集まっています。

そのひとつが建設業です。

建設業にもAIや技術革新の導入はありますが、例えば施工管理や設計、職人技などというものは、基本的にはそんなに変わりません。

なので、一度覚えれば何年でも活躍できる土壌があります。

対して、ITなどのいわゆる最先端技術の分野は、常に技術革新が起こり続け、技術者はそのスピードに追いつくだけでも精一杯です。

しかも年齢を重ねるにつれ、だんだんついていけなくなる。

こう考えた時に建設技術者のお仕事は、身につけてしまいさえすればいつまでも続けられる仕事なのです。

最近SDGsがもてはやされていますが、建設技術者のお仕事はまさしく持続可能なお仕事。

こういう建設業の可能性に若者にも気づいてもらい、新規参入する若手が増えてくれると良いのになと思ったりします。

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