建設業というと、昔から3Kの仕事として有名ですが、それは過去の話になりつつあるというのをご存知でしょうか?
『3K』とは「きつい」「汚い」「危険」の頭文字を取ったものですが、ひどい時は建設業は6Kとも言われ、3Kに加えて、「給料が安い」「休暇が少ない」「かっこ悪い」まで追加された時期もあります。
そのままでは建設業で働いている人からすれば、自分の仕事をそんな言われ方するのは気分が良いものではないですし、若手も建設業を目指さなくなってしまいます。
実際に年々建設業に新規参入する人は減少しており、建設会社も減少しています。
このままでは、建設業に携わる人材は高齢化し、大量退職の時代を迎え、日本の建設業は成り立たない事態になりかねません。
こうなると「このままではいけない!」と誰もが思うところですが、実は建設業は3Kから変わりつつあります。
その一つが国土交通省が提唱した『新3K』です。
新3Kは「給料が良い」「休暇が取れる」「希望が持てる」を標ぼうしており、若手の新規参入を促進を目的としています。
新3Kの中身とはどんなものでしょうか?それぞれ解説していきます。
【給料が良い】
給料を良くするには、建設工事の受注金額をそれに見合う金額にすることが必要となります。
そのため、仕事を受ける際の見積に労務費をあらかじめ上乗せして請求することが求められています。
これは下請け業者にもトリクルダウンすることが求めれており、元請となるゼネコンは施工主に対し、それに見合った見積を提出することが必要となります。
最近、建設業の人件費が上がっていると話題になりますが、この辺りに原因があるということです。
発注者としては痛いところではありますが、本来これが適正価格ということだろうと思います。
実際に下請け業者に至るまで、時間当たりの給与は上昇傾向となっているようです。
【休暇が取れる】
一般企業では当たり前の4週8休の週休2日制度も建設業では4週6休が当たり前でした。
ワークライフバランスが叫ばれる世の中で、それでは若手は集まりません。
そのため、週休2日を原則とし、工事期間もそれに合わせた計画にするように指導されています。
また、残業についても同じで、できる限り規定の就業時間内で仕事が完了できる量に分散されるように工事期間を組む必要があります。
ですが、これは単純に工事期間を延ばすという対策だけではなく、自動化やAI化などの最先端技術を駆使して、工事そのものの効率アップも同時に行われています。
【希望が持てる】
これに関しては国土交通省としては技術革新による見た目のカッコよさを強調しているところがありますが、それだけではないと思います。
私が考えるに、以前のコラムにも書きましたが、建設業は消える仕事どころか、未来永劫残り続ける仕事の一つだという希望もあります。
また、建設業の魅力は何と言っても「ものづくり」としては最大の製品を作るダイナミックさであり、デザイン性や公共性の高い仕事であるという部分かと思います。
これはもともとの建設業の魅力のポテンシャルです。もっと建設業が素晴らしい仕事であることをアピールする必要があります。
ということで、建設業は変わりつつあります。
建設業は魅力ある仕事であり、そのアピールポイントも実はたくさんあります。
ただ、建設業の方々はどうもアピールが苦手。
労働環境や給与面、安全面なども条件が良くなっているので、あとはどれだけ魅力を発信できるかにかかっていると思います。
このコラムもその一助になれば!なんて思っております。