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建設業のロボット活用とは?現場で進む導入とできること
建設業というと、“人の手でつくる仕事”というイメージが強いかもしれない。しかし近年、建設現場ではロボットの活用が少しずつ広がっている。とはいえ、すべての現場で導入が進んでいるわけではなく、地域や規模によって差があるのが実情だ。
それでも、人手不足や安全性の向上といった課題を背景に、ロボットの活用は確実に広がりつつある。本記事では、建設現場で活躍するロボットの役割や、実際に導入が進んでいる事例をわかりやすく解説する。
1. 建設業でロボットが注目されている理由
建設業でロボットが注目されている背景には、いくつかの理由がある。
まず大きいのが、人手不足だ。建設業では高齢化が進んでおり、現場を支える人材の確保が課題となっている。限られた人数で現場を回すためには、作業の一部を機械やロボットに任せるという考え方が欠かせなくなってきている。
もうひとつは、安全性の向上だ。高所作業や重機を扱う現場に加え、粉じんを伴う作業や溶接など、身体への負担や危険を伴う工程は少なくない。そうした作業をロボットが担い、事故のリスクを減らすことが期待されている。
さらに、生産性の観点もある。単純な反復作業や、一定の精度が求められる工程では、人よりも安定して作業できるロボットの強みが生きる。人とロボットが役割を分担することで、全体の効率を高めようという動きが広がっている。
こうした流れを背景に、業界全体でロボットやICTの活用を進める動きも出てきている。例えば、複数の建設会社が連携して技術開発や導入を進める「建設RXコンソーシアム」など、現場のあり方を見直す取り組みも始まっている。
▼建設RXコンソーシアムの詳細はこちら
https://rxconso-com.dw365-ssl.jp
2. 建設ロボットは現場で何をしている?
「ロボット」と聞くと大がかりなものをイメージするかもしれないが、実際にはさまざまな形で現場に導入されている。
例えば、資材の運搬をサポートするロボットがある。足場材や資材を現場内で運ぶ作業は、重労働になりやすい工程のひとつだ。こうした作業を自動化する運搬ロボットは、すでに実用化が進んでおり、レンタルで利用できるサービスも登場している。
実際には、作業員の代わりに資材を運び続けることで、作業負担の軽減だけでなく、工数の削減にもつながっている。ある実証では、1台で作業員約10人分の運搬能力を発揮し、運搬作業の工数を大きく削減した例も報告されている。(※)
ロボットは、施工の分野でも活用が進んでいる。鉄筋の結束や溶接、吹付けといった作業は、一定の精度が求められる単純反復作業だ。こうした工程では、ロボットが安定した品質で作業を行うことができる。
また、測量や点検の分野では、ドローンや3Dスキャナーが使われるケースも増えている。広い範囲を短時間で把握できるため、現場の状況を効率よく管理できる。
ただし、これらのロボットは、一部の現場を中心に導入が進んでいる段階でもある。自動運搬システムなどは実用化が進みつつある一方で、現場の条件やコストによって導入のしやすさには差があるのが現状だ。
※ タカミヤ、建設業界の人手不足に挑む 足場運搬ロボット「TLEVER」のレンタル開始|PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000098013.html
3. 建設業で進むロボット導入事例|現場で広がる活用
では実際に、建設業の現場ではどのようにロボットが使われているのだろうか。
近年は、大規模なプロジェクトを中心に、これまで人が担ってきた作業の一部をロボットに任せる取り組みが進んでいる。土木分野では、ダンプやブルドーザを遠隔操作したり、自動で動かしたりする「無人化施工(遠隔操作による施工)」の技術が活用されている。複数の重機が連携して動くケースもあり、作業の効率化と安全性の向上の両立が図られている。(※)
建築分野でも変化は見られる。床の仕上げや塗装など、長時間同じ姿勢で行う作業をサポートするロボットが導入され始めている。人の負担を軽減しながら、作業の精度を安定させることができるのが特徴だ。(※)
さらに、点検や巡回の分野では、自律的に移動しながら状況を確認するロボットも登場している。夜間や人が立ち入りにくい場所でも稼働できるため、これまで難しかった作業にも対応できるようになってきている。
このような事例は、まだ一部の大規模現場を中心としたものが多い。しかし、技術の進化とともに、小規模な現場でも使いやすい形へと変わりつつある。少しずつではあるが、建設業におけるロボット活用は、確実に広がり始めている。
※ 建設無人化施工協会
※ 塗装ロボット|竹延
https://takenobe.co.jp/service/painting-robot.html
4. 建設業でロボットが増えても、人の仕事はなくならない
ロボットの導入が進むと、「人の仕事は減るのではないか」と感じる人もいるかもしれない。しかし、実際の現場では、ロボットは人の仕事を奪う存在というよりも、支える存在として位置づけられている。
単純な反復作業や、身体への負担が大きい工程はロボットが担う。一方で、現場の状況に応じた判断や段取り、関係者との調整などは、人にしかできない役割だ。
建設現場は、図面通りに進まないことも多い。その場の状況を見ながら、どう進めるかを考える力は、今もこれからも人に委ねられている。
ロボットが増えることで、人の仕事がなくなるのではなく、人が本来担うべき役割により集中できるようになる。そう考えるほうが、現場の実感に近いのかもしれない。
5. これからの建設現場はどう変わる?
ロボットの活用は、まだすべての現場に広がっているわけではない。しかし、少しずつ導入が進み、現場の選択肢のひとつになりつつあるのも事実だ。
今後は、ロボット単体だけでなく、ICTやデータと組み合わせた形で、現場のあり方が変わっていく可能性がある。測量や施工、管理といった工程がつながることで、これまで以上に効率的な現場づくりが求められていくだろう。
人の手でつくるという建設業の本質は変わらない。そのうえで、ロボットという新しい選択肢が加わっていく。これからの建設現場は、「人かロボットか」ではなく、「どう使い分けるか」が問われる時代になっていくのかもしれない。


