コラム

2023.03.06

建設業における時間外労働の上限規制適用

2024年4月から建設業に認められていた時間外労働の上限規制に関する猶予が撤廃されます。

と言ってもそれってどういうことなのでしょうか?

実は建設業以外の他業種では2019年4月の法改正に伴って労働時間の上限が規制され、違反した企業に罰則が科せられることになりました。

労働時間は原則として1日8時間、週40時間を法定労働時間として守る必要があります。

しかし、どんな業種でも繁忙期などがあり、その時間内では仕事が終わらない場合もあります。

その場合は雇用主は労使間で36協定を締結して残業を行わせることができます。

その上限は【月45時間、年360時間以内】となっております。

では建設業は今までどうだったのか?というと、この上限規制がなかったので、残業は何時間でもさせられる状態だったということです。

ということで、2024年4月からは上限規制が適用となるわけですが、【特別条項】というものを設定できることになっています。

それが以下の内容です。

・時間外労働が年720時間以内

・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満

・時間外労働と休日労働の合計について、「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1か月当たり80時間以内

・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月まで

※災害時は別途規制あり

ただし、「特別な事情がある場合」に限られています。ですので、上記の内容を特別条項として36協定を結ぶ必要があります。

ちなみに上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

ちなみに建設業でありがちなのが4週6休(隔週土曜日出勤)というものですが、たまにこれを定時内だと思っている方がいます。

労働時間は1日8時間、週40時間が原則なので、1日8時間働いたとしたら、働けるのは週5日までということなので、土曜日は時間外であるということをお忘れなく。

とは言え、2019年の法改正以前より、建設業の時間外労働の多さは指摘されており、これが若手の新規参入の阻害となっていることや、健康被害の原因となっていることなどから、大手ゼネコンを中心に時間外労働の規制を強化してきており、意外と平均残業時間は減少傾向にあるようです。

2024年4月から適用となるので、それぞれの建設会社だけではなく、各現場でも協力業者も含めて、法律に則った労働時間の運用ができているか、しっかりと確認を行う必要があるようです。

あなたの会社や現場はいかがですか?

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