コラム

2026.08.18

 【“すごい”建築】どうなってるの!?“思わず二度見する建築”編

長い年月をかけて、さまざまな困難を乗り越えた末に完成する建築物。一戸建て住宅、マンション、複合ビル、ホテル、ミュージアム……建築物の種類は多種多様だが、どんな建築物にも多くの人の手が掛かっている。各領域ごとの専門家が知恵を出し合い、多くのプロセスを踏んで、建物を建てている。

こうして生み出された建築物からは学びが多い。近年は、優れたデザインや独創的なアイデア、施工技術によって、人々を驚かせる建築物も数多く生まれている。【“すごい”建築】シリーズでは、今注目したい建築物を紹介する。第5弾では、思わず「どうなってるの!?」と二度見してしまう、ユニークな建築物を3つピックアップした。

1. 東京ビッグサイト(東京)

photo by photoAC

東京都江東区にある「東京ビッグサイト」は、日本最大級の国際展示場。展示会やコミックマーケットなどで訪れたことがある方や、特徴的な逆四角錐(逆三角形のように見える)の建物を目にしたことがある方も多いのではないだろうか。

印象的な逆四角錐の部分は、地上58mの高さに位置する三層構造の会議棟。巨大な上部を4本の柱が支えているため、遠くから見ると、まるで宙に浮いているようにも見える。

さらに驚くのが、その建設方法だ。会議棟や東展示棟の大屋根は、地上で組み立てた後、リフトアップ工法によって所定の高さまで持ち上げられたという。大胆なデザインを実現できたのは、それを形にする高度な施工技術があってこそ。普段何気なく目にしているランドマークも、その造り方を知ると、また違った見え方になるかもしれない。

設計:佐藤総合計画

施工:ハザマ(現・安藤ハザマ)JV ※会議棟 ほか

2. TKPゲートタワービル(大阪)

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大阪市福島区にある「TKPゲートタワービル」は、ビルの5〜7階を阪神高速道路が貫通することで知られるオフィスビルだ。建築好きなら一度は耳にしたことがある、有名なランドマークである。

一見すると、高速道路が建物を突き抜けているように見えるが、実は道路とビルは接触していない。高速道路は専用の橋脚で支えられ、建物とは独立した構造になっており、防音・防振対策も施されている。

このユニークな建物が誕生した背景には、高速道路の建設計画と土地所有者の思いが交差したことにある。どちらかが計画を譲るのではなく、“道路と建物が共存する”という発想から、日本で初めて立体道路制度が適用された。課題を対立ではなく共存で解決したこの建物は、技術だけでなく、柔軟な発想が生み出した都市建築の象徴といえるだろう。

設計:梓設計、山本・西原建築設計事務所

施工:佐藤工業

3. 多治見市モザイクタイルミュージアム(岐阜)

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岐阜県多治見市にある「多治見市モザイクタイルミュージアム」は、タイルの原料を掘り出す採土場(粘土山)をモチーフにした、土の山のような外観が特徴のミュージアム。建築家・藤森照信氏が設計を手がけ、“見たことがないのに、どこか懐かしい”建築として、見る人を虜にしている。

独特な外観の背景には、「タイルは土から生まれる」という地域産業の原点が込められている。建物そのものが、多治見のタイル文化を伝える展示物なのだ。

敷地内の一部施設では、壁タイルを貼る作業に一般市民も参加。地域の人たちの手によって建物の一部が完成したというエピソードも、このミュージアムならではである。

設計:藤森照信

施工:吉川組・加藤組・櫻井建設JV

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